重吉さんの死生観

  • 2018.04.01 Sunday
  • 01:30

八木重吉の詩による、カウンターテナー・混声合唱・児童合唱とオルガンのための

「私が、もういちど、生まれ変わる日。」

この曲集を構成する全10曲の詩をご紹介しておりますが、今回はいよいよ最後の第9、10曲目になりました。

 

重吉は27歳で結核を発病し、それから死までの1年余りに及ぶ療養生活では耳下腺炎や腹痛などの併発に苦しみ、絶対安静の日々の中で筆をとることもままならかったといいます。詩作は29歳で亡くなるまでのたったの5年間。病床で苦しみ、孤独とたたかいながらやがて遠くない自らの死を思って書き残した詩には、彼の死生観(生き方、死に方についての考え方)が滲み出ていると思います。私は、その中でもっとも重吉さんの死への心構えを感じ取れる詩「雨」をこの曲集の最後に据えました。

説明の言葉は必要ないでしょう、どうかお読みになってください。

当時22歳で夫を看取らなければならなかった妻のとみ子さんは、重吉さんが亡くなった日のことを後にこう語っています。

 

「昭和2年10月26日早暁、八木重吉は数え年三十歳で、余りにも早く昇天してしまいました。
この朝は実に美しい朝焼けであったと憶えています。」

 

奇しくも、今このブログを書いている3月31日未明は、キリストが”死”から復活した朝であります。

たいへん信仰篤かった重吉さんも、キリストが我が身をもって証明した「死を越えたところにある栄光、たましいの復活」を確信するという域まで達したからこそ、遺言ともいえるような「雨」という穏やかな詩が書けたのではないでしょうか。

 

いよいよ、明日は松本でパイプオルガンの原田靖子さん、指揮の中村雅夫氏、カウンターテナーの望月裕央氏、混声合唱・児童合唱のみなさん、約120名が全員集合して全体リハーサルです。重吉さんも、ひょっこり来てくれないでしょうかね。そのもようは、帰って来たらご報告させていただきます。来週は重吉さんのお墓参りにもやっと伺えます。生家にも伺う予定です。それではひきつづきこのブログをよろしくお願いいたします〜!

 

(重吉さん直筆のことば)

 

9. 心よ

 

こころよ

では いっておいで

 

しかし

また もどっておいでね

 

やっぱり

ここが いいのだに

 

こころよ

では 行っておいで

 

 

10. 雨

 

雨のおとがきこえる

雨がふっていたのだ

 

あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう

雨があがるようにしづかに死んでゆこう

 

Quoniam apud te est fons vitae

et in lumine tuo videbimus lumen.

(命の泉はあなたのもとにあり

あなたの光のうちにわたしたちは光を見る 詩編36:10)

 

神さま あなたに会ひたくなった

 

 

(つづく)

 

 

松本市音楽文化ホールオルガン設置30周年記念コンサート

”私が、もういちど、生まれ変わる日。”

2018年4月15日

松本市音楽文化ホール

15:00開演

https://www.harmonyhall.jp/organ30/

 

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