重吉記念館・涙涙の訪問記

  • 2018.04.11 Wednesday
  • 23:15

本日ようやく、合唱曲「私が、もういちど、生まれ変わる日。」の10曲を構成する詩の作者・八木重吉の生家(記念館)とお墓まいりに伺うことができました。

 

行きは「私が、もういちど、生まれ変わる日。」の終曲「雨」を象徴するようなお天気雨でまるで嬉し泣きのようでした。

バッハのBGMも手伝いここからすでに涙腺崩壊。涙でみるみる化粧がはげていきます。

 

到着したら快晴になりよい風が吹いています。場所は高尾の手前になる町田市相原というところにあります。

 

よく手入れされた生家の敷地内は花盛りでした。

 

里山の風情がのこる、あたたかくてやさしい場所です。

 

のびのびと咲くたんぽぽの花畑

 

 

記念館入り口

 

重吉の生まれ育った生家は、火事で消失してしまったとのことでしたが、隣のお蔵が当時のまま残っており、それが小さな記念館となっています。外観や内部の詳しい写真などはこちらをご覧ください。

 

【町田市相原 八木重吉記念館】

https://www.jukichi-yagi.org

 

現在は重吉のお兄さんのお孫さんである佐藤ひろ子さんという方がこの記念館を管理なさっておられます。本日は、大変お優しいボランティアガイドの方が予約時間に私を玄関で待っていてくださり、小さな記念館であるにもかかわらず、重吉さんの生前のエピソードや資料、写真、作品について2時間近くかけて丁寧にご説明くださいました。

お話をうかがい重吉がこのような詩作に至った経緯を納得させられました。

 

そのお話を書き尽くすことができませんが、

ひとことで言うならば、重吉直筆の日記や手紙や草稿、絵画は圧倒的でした。

重吉の詩を初めて聴いた時に受けた衝撃を上回る衝撃でした。今度の合唱曲の中で取り上げた作品もありました。家の者にこの衝撃アタックの話をしたところ、曲を書く前に見られたらよかったねと言われましたが、曲を書く前に見てしまったら震えて書けなくなっていました。ただただ、圧倒されました。

重吉は死の間際に神と出会うしぐさをすることもあったと聴きましたが、「病床日記」や妻とみ子さんに宛てた手紙などを見ると、病が進行するにつれて几帳面だった文字がひどく乱れ、震えていきます。これを目の当たりにした時、重吉さんは一人で不安と苦痛に耐えどんなに苦しかったのだろうかと胸を突かれました。キリストの十字架の道行きを重ね合わせてしまいます。そこに栄光が見えていたとしても、死への道行きはどんなに孤独だったことでしょうか。

 

また、重吉が教育実習で出会った子供達との集合写真がありましたが、その写真の裏には生徒全員の名前と「Angels この無邪気なる教え児を忘れるのは、すなわち我が愛の生命の終わる日なり。ああ、楽しかりき十週よ。ああ、懐かしきその追憶よ!」と書かれていました。この経験は重吉を教師へと導いたものであります。図らずも合唱曲「私が、もういちど、生まれ変わる日。」には「天使」の役割として児童合唱を入れました。本当に入れてよかったと思いました。

 

この記念館は、当主の佐藤ひろ子さんが、一人でも多くの方に重吉を知ってもらいたい、との思いで入館料をとらずに運営されています。

帰り際に、作曲させていただいたご挨拶とご報告が遅くなったことをお詫びして、松本での演奏会のお話をしたところ、本当に喜んでくださいました。そして、わざわざいらしてくださり本当にありがとうとおっしゃってくださり、回顧展の非売品の貴重な図録と「重吉と旅する」という出版されたばかりの可愛らしい本を「交通費よ」と言いながら私にくださったのです。

 

重吉は詩の中で、まったく衒うことなく、他者への愛を心底うたっていますが、この記念館の場所にはそれが受け継がれ生きていると思いました。それは重吉が生きているということに他ならないと思いました。

 

記念館見学の後、お墓まいりに案内していただきました。

左が22歳という若さで夫を失ったとみ子夫人、中央が14歳、15歳で夭折された長女桃子さん、長男陽二さんのもの、右が重吉さんのもの。ようやく全員揃って、家族をものすごく大切にした重吉さんは嬉しかったと思います。

 

うどん屋

その後、いただいた本「重吉と旅する」に載っていた、記念館近くのゆかりのオススメのうどん屋さん「開都」にてうどんを、、

 

重吉さんに「食べていきなさい」と言われているような気がして(ほんとか!?)迷うことなくドデカ海鮮かき揚げも注文。

15日には人前に出るゆえ10グラムでも体重落とさなあきまへんのに、なにをやってるんでしょうか私は。

一応今夜の晩御飯は抜いときました。

 

このような報告ではみなさんに重吉さんを知っていただくには至らないのですが、この機会にとくに15日に合唱で歌ってくださる皆さんにはぜひこの詩の向こうにあるものを感じていただきたいと願っています。

 

それでは明日は、もう一度この合唱曲の重吉さんの詩をみていきたいと思います。

 

今回は長い文章をお読みくださり、ありがとうございました!

 

【八木重吉がよくわかるおもしろい書籍】

「重吉と旅する」

https://www.amazon.co.jp/重吉と旅する%E3%80%82-29歳で夭逝した魂の詩人-いのちのことば社-Forest・Books-フォレストブックス/dp/4264036941

 

【松本市音楽文化ホールオルガン設置30周年記念コンサート】

”私が、もういちど、生まれ変わる日。”

2018年4月15日

松本市音楽文化ホール

15:00開演

https://www.harmonyhall.jp/organ30/